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2006年5月15日 (月)

事あっても見ない主義

政府や外務省が出来ることなら触れて欲しくない上海領事館員の自殺について読売がスッパ抜いたよ。中国当局からスパイ行為を強要されて自殺したのに、遺体引取りを円滑にするため、「仕事の重圧」とする書類に署名したんだって。

死者を鞭打つようなことは書きたくないけど、この領事館員は誘惑に負けて禁断の果実を食べたから、自殺に追い込まれてしまったのだよね。でもそれはそれ、普通の感覚なら、職場の仲間を罠に嵌めて、命を奪った中国政府に対して怒りが湧いてくるはずなのに、外務省のエリートたちには爪の先ほども無いみたい。拉致問題で怒らない小泉さんにソックリ。遺体を引き取って、臭いものにはさっさと蓋をすることしか考えていなかったとしか思えないよ。事なかれ主義というより、事あっても見ない主義だ。この情けない姿勢が、首相の靖国参拝や教科書検定の内政干渉を許してきたのだよね。

安倍ちゃんが分かりにくい言い訳をしてるけど、「外務省の対応にも問題があった」とはっきり言うべきだよ。次の首相になるつもりなら、小泉さんのような上辺だけの改革ではなく、本当の改革をしてもらわなきゃならないのだから。

「職務重圧で自殺」上海領事館、遺体引き取り時に説明 

在上海日本総領事館の館員(当時46歳)が2004年5月、中国情報当局から機密情報などの提供を強要されたとの遺書を残し自殺した問題で、総領事館側が当時、遺体引き取りを円滑に行うため、中国警察当局に遺書の内容を伏せたまま、「自殺の動機は仕事の重圧」と説明する書類に署名していたことが14日、明らかになった。

中国側はこの署名文書を「自殺事件と中国政府は無関係」と「脅迫」の事実を否定する根拠としており、日中両政府の主張が平行線をたどる最大の要因となっている。遺体引き取りを優先するための措置だったとはいえ、外務省の対応の是非が改めて問われそうだ。

 外務省の査察チームが現地で自殺の経緯を調査してまとめた内部報告書などによると、中国国内で外国人が死亡した場合、火葬や遺体の引き取りには中国警察当局が発行する「外国人死亡書」が必要となる。今回のケースでは、04年5月6日、総領事館が自殺した館員を病院に搬送した後、上海市の警察が遺体を検視し、この書類を作成した。

 関係筋によると、総領事館側は、中国情報当局から執拗(しつよう)に情報提供を求められていたなどとする遺書の内容をすでに把握していたが、「真相を伝えた場合、発覚を恐れる情報当局に妨害され、遺族への遺体引き渡しを拒否される可能性がある」と判断。自殺の動機を「仕事の重圧」と説明し、それを記した書類に館員が署名した。

 日本政府は遺体を引き取った後、中国政府に対し、自殺の背景には中国側の恫喝(どうかつ)があったことを初めて明らかにし、「領事関係に関するウィーン条約」に違反する行為があったとして抗議した。

 しかし、中国政府は「日本側は、職員は職務の重圧のために自殺したと表明した」「(職務の重圧との)聴取記録や日本職員の署名もある」などと反論した。

 同筋によると、総領事館側は当時、「情報当局者から公務に関して脅迫を受けた」ということも「仕事の重圧」に含まれるとして、中国側の主張を退けられると判断していた。

 しかし、中国側にすれば、日本側が公文書である「外国人死亡書」にいったん正式に署名した以上、自殺の原因はそこに記された通り、「仕事の重圧」と主張することが可能だ。事実、中国側は一貫してその主張を繰り返し、日本政府のウィーン条約違反との抗議を退けている。

 本紙が今年3月31日付の朝刊で、総領事あての遺書の全容を報じた後も、中国外務省は、「脅迫」の事実を否定したままだ。

 外務省は昨年末に自殺問題が明らかになるまで、自殺した事実自体を伏せるとともに、中国にも口頭で2回、抗議しただけだった。こうした日本側の“弱腰外交”の背景には、「外国人死亡書」に署名した弱みがあった、との見方も出ている。

         ◇

 日本政府高官は、上海総領事館が館員の自殺の動機について、「仕事の重圧によるもの」と、中国側に説明していたことに対し、「全く知らない」と語った。

領事館員の「職務重圧で自殺」、査察結果になし 

安倍官房長官は15日午前の記者会見で、外務省が在上海総領事館館員の自殺の動機を「仕事の重圧」とした書類に署名していた問題について、「当時の監察査察担当参事官による調査結果も、中国側が作成した外国人死亡書にも(問題の事実は)含まれていないと承知している」と述べた。

 自殺の動機について、「中国側は『日本側が職務の重圧のため自殺したと証明した』と主張しているが、このような主張には根拠がなく受け入れられない旨を中国側に申し入れている」と強調した。

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